アクリル塗装
参考耐用年数 | 5年~7年 |
㎡単価 | 2,000円/㎡~ |
特徴 | アクリル塗料は耐用年数が短く、特に屋外の耐久性に弱みがあるために外壁塗装で使われることは少ないです。 塗ったとしてもすぐに劣化して再塗装が必要になるため、コストパフォーマンは悪い塗料となります。 DIYなど、少ない範囲の部分を塗る際は扱いやすいアクリル塗料がおすすめです。 |
メリット | アクリル塗料は価格が安く、初心者にも扱いやすい点が特徴です。短いスパンでの塗り替えを前提にしている場合、コストを抑えながら気軽に施工が可能です。軽量で乾燥が早いため、DIYにも適しています。 |
デメリット | アクリル塗料は耐用年数が短く、紫外線や雨風による劣化が早い傾向があります。耐候性も低いため、外壁の保護性能を重視する場合には不向きです。ウレタン塗料と同様、長期的なコストパフォーマンスを重視する場合はシリコン塗料やラジカル塗料などがおすすめとなります。 |
ウレタン塗装
参考耐用年数 | 8年~10年 |
㎡単価 | 2,500円/㎡~ |
特徴 | ウレタン塗料も8種類(シリコン・ラジカル制御形・フッ素・無機・ナノテクノロジー・遮熱/断熱・ピュアアクリル・光触媒)のなかでは耐用年数が短く、昨今では外壁塗装に使われることは少ないです。 外壁塗装費用をなるべく抑えたい場合や、10年以内に退去や解体をする場合に向いています。 |
メリット | ウレタン塗料は、価格が安く塗膜に柔軟性があるため密着力に優れています。 外壁以外の付帯部や細かい部分の塗装にも適しており、用途の幅が広い点が魅力です。また、光沢感や艶がある仕上がりも、デザイン上のメリットといえるでしょう。 |
デメリット | ウレタン塗料は耐用年数が短いことから定期的な塗り替えが必要になるため、長期的なコストは高くなりがちです。 また、紫外線に弱いため外壁全体に使用する際は注意が必要となります。 10年以上建物に住む予定がある方は、 別の塗料にした方が良いでしょう。 |
シリコン塗装
参考耐用年数 | 10年~13年 |
㎡単価 | 3,000円/㎡~ |
特徴 | シリコン塗料は、耐用年数・費用ともに標準的でバランスの取れた塗料です。 2012年にラジカル制御形塗料が登場する前は、もっともコストパフォーマンスのよい選択肢でした。現在でも人気があり、様々な製品が開発されています。 |
メリット | シリコン塗料は、価格と性能のバランスが取れた塗料として人気があります。耐候性や防汚性に優れているため、一般住宅から大規模な高層建築に至るまで、幅広く採用されています。 また、製品の種類が豊富で、さまざまなカラーバリエーションや仕上がりを選ぶことが可能です。そのため、自分の家に最適な選択がしやすい点も大きな魅力といえるでしょう。 |
デメリット | ラジカル制御形塗料やフッ素塗料に比べると耐用年数がやや短い傾向にあります。 また、製品によっては汚れが付きやすい場合があるため、慎重な選択が必要です。 価格を重視しすぎると、質の低い塗料を選んでしまう可能性があるでしょう。 |
ラジカル制御形塗装
参考耐用年数 | 12年~15年 |
㎡単価 | 3,150円/㎡~ |
特徴 | ラジカル制御形塗料とは、簡単にいうと「塗膜を破壊する物質(ラジカル)を制御することで長持ちさせる」塗料です。 「ラジカル型塗料」「ラジカル塗料」「ハルスハイブリッド塗料」等と呼ばれることもあります。 主にラジカル制御形酸化チタンと光安定剤が配合された塗料を指します。 酸化チタンは食品や歯磨き粉などにも使われている身近な物質です。 また、酸化チタンには紫外線を吸収する能力があります。 ところがこの時、酸化チタン表面に発生するのがラジカルなのです。 その性質を解説する前に、各専門用語を2つ解説します。 ①酸化チタンとは? 塗料に含まれる酸化チタンは、白色の顔料として大切な機能を持っています。チタン鉱石から作られる無機化合物です。 酸化チタンは光をよく反射する性質を持っているので、塗料に光が当たるとそれを反射して色を明るく鮮やかに見せるのです。また、下地を隠す高い隠ぺい効果もあります。 白に限らず、ほとんどの塗料に酸化チタンが必要不可欠です。 ②ラジカルとは? ラジカルは、塗膜を破壊する厄介な物質です。 化学的に非常に不安定なため他の物質と反応しやすい特徴があり、塗膜の有機成分にも反応して、分子構造を分解してしまうのです。 これが塗膜の劣化につながり、耐久性や耐候性が損なわれます。塗膜の劣化症状である割れや変色、チョーキング現象の原因です。つまり、酸化チタンに紫外線が当たることでラジカルが発生し、そのラジカルが塗膜を分解してしまう。これが通常の塗料が劣化していくメカニズムです。 そこで、ラジカルをコントロールし抑制する働きを持つのが「ラジカル制御形塗料」なのです。ラジカル制御形塗料の2つの働き ラジカルの発生を抑制する ラジカル制御形塗料は、酸化チタンをコーティング(高耐候酸化チタン等と呼びます。)することで、紫外線が酸化チタンに触れることを抑制します。 さらにシールドで、発生したラジカルが外に出ることを防ぎます。光安定剤(HALS)がラジカルをキャッチ わずかに発生してしまったラジカルは、塗料に配合された光安定剤が捕まえて不活性化します。 |
メリット | ラジカル制御形塗料の最大の特徴は、紫外線による劣化を抑える「ラジカル制御技術」です。シリコン塗料よりも高い耐久性が期待でき、外壁の美しさを長期間保てます。 また、コストパフォーマンスが良く、耐用年数と価格のバランスが取れているため、多くの建物の外壁で採用されています。 汚れが付着しにくいという特性もあるため、外壁のメンテナンス頻度を減らせる点も大きな魅力です。 |
デメリット | 他の塗料に比べて歴史が浅いため、製品の種類が限られている場合があります。 また、フッ素塗料や無機塗料に比べると耐用年数が劣るため、長期間の耐久性を重視する方には向かない可能性が高いです。 |
フッ素塗装
参考耐用年数 | 15年~20年 |
㎡単価 | 5,600円/㎡~ |
特徴 | フッ素塗料は多少値が張りますが、耐用年数が長く、塗り替え回数を少なくできるメリットがあります。 一回あたり塗装費用が高額になる大きな邸宅や、塗装工事による休業や通行規制をなるべく避けたい商業施設への使用がおすすめです。 |
メリット | フッ素塗料は高い耐久性と耐候性が特徴で、紫外線や雨風による劣化を防ぎます。そのため、塗り替え頻度を大幅に減らすことが可能です。 また、防汚性が高く外壁が汚れにくいため、美観を長期間維持できます。長期的に見ると、トータルコストを抑えられる点もメリットです。 |
デメリット | 価格が高めで、初期費用が他の塗料よりもかかる点がデメリットです。 また、高性能な反面、築年数などよっては必要以上のスペックになる場合もあります。 お住まいの建物の数十年後や、トータルコストについて慎重に判断をしてから選ぶとよいでしょう。 |
無機塗装
参考耐用年数 | 25年~30年 |
㎡単価 | 6,900円/㎡~ |
特徴 | 無機塗料は成分に有機物をほぼ含まないため劣化が遅く、寿命が非常に長いのが特徴です。 耐用年数が最も長く、塗り替えの回数を減らしたいという方におすすめです。耐用年数が長い分、他の外壁メンテナンス周期も考慮すると、コストパフォーマンスが下がる可能性もあります。 |
メリット | 無機塗料は、耐久性と耐候性の高さが最大の魅力です。無機成分が含まれていることで、紫外線や雨風による劣化を抑えられます。 また、カビやコケが発生しにくいため、外壁を清潔に保ちやすいです。そのため、美観上も優れています。 |
デメリット | 無機塗料は、塗料のなかでもトップクラスに初期費用が高い点がデメリットです。 また、固くて割れやすい性質があることから、外壁材との相性によっては耐用年数前に剥がれるといったトラブルが起こる可能性もあるでしょう。 |
ナノテクノロジー塗装
参考耐用年数 | 12年~15年 |
㎡単価 | 5,200円/㎡~ |
特徴 | ナノテクノロジー塗料は、細かいガラスの粒子(微粒子シリカ)を含んだ塗料です。 無機物を主体とすることから、無機塗料に似た特性をもちます。 ピュアアクリル塗料と同様、最近になり新しく開発された塗料で使用実績も多くありません。 |
メリット | 無機物が主体のため、優れた防汚性と耐久性を誇ります。 また、帯電しにくくホコリが付きにくい、紫外線に強いため色褪せしにくいことも特徴です。 また、環境に配慮した成分が使用されている場合が多く、エコロジー志向の方にも適しています。 |
デメリット | 他の塗料よりも製造・開発にコストがかかる分、価格が他の塗料より高い傾向があります。 また、一般的な住宅では効果を十分に実感できない場合もあるため、背用品や使用用途をしっかり見極める必要があるでしょう。 |
遮熱・断熱塗装
参考耐用年数 | 10年~20年 |
㎡単価 | 4,600円/㎡~ |
特徴 | 遮熱・断熱塗料は、その名の通り、暑さを軽減する効果をもつ塗料です。 断熱塗料は暑さ・寒さ両方の対策になりますが、遮熱塗料は暑さの対策効果のみという違いがあります。 |
メリット | 遮熱・断熱塗料は、室内の温度上昇を抑える効果があります。夏場の強い日差しによる熱の侵入を防ぐため、冷房効率が上がり、電気代の節約につながるでしょう。 また、冬場には熱が外に逃げにくくなる断熱効果も期待できます。省エネ性能が高い点から、環境にも優しい塗料です。 |
デメリット | 遮熱・断熱塗料は一般的な塗料に比べて価格が高い傾向があり、初期費用がかかることがデメリットです。 また、外壁材や施工状況によっては効果が十分に発揮されない場合もあるため、専門家による適切な施工が必要です。 |
ピュアアクリル塗装
参考耐用年数 | 15年~20年 |
㎡単価 | 5,900円/㎡~ |
特徴 | ピュアアクリル塗料は、通常アクリル塗料に含まれる不純物を除き、耐久性と防水性に優れた塗料です。 比較的最近になって開発された、新しい塗料となります。 |
メリット | ピュアアクリル塗料は高い柔軟性があり、外壁のひび割れを防ぎやすい塗料です。モルタル外壁など、割れやすい素材に最適で、家全体をしっかり保護できます。 耐候性も高く比較的長期間の使用も可能で、従来のアクリル塗料の上位グレードという位置づけといえるでしょう。 |
デメリット | ピュアアクリル塗料は価格が高めで、初期費用が他の塗料よりもかかる点がデメリットです。 また、選べる商品の種類は限られること、塗布実績の豊富な施工業者が少ない点にも注意してください。比較的新しい種類の塗料のため、その性能に対する評価が定まりきっていません。 |
光触媒塗装
参考耐用年数 | 12年~15年 |
㎡単価 | 5,200円/㎡~ |
特徴 | 光触媒塗料は、酸化チタンの性質を利用し太陽光との化学反応から壁面の汚れを分解・自然に洗い流すことができるという強みを持った塗料です。 そもそも「光触媒」とは、太陽光によって何らかの化学的な働きが生まれることを意味します。光触媒の例として分かりやすいのは光合成です。 太陽光が多くあたる外壁は光触媒による効果が高いとして注目されています。 |
メリット | 光触媒塗料は、太陽光を利用して汚れを分解するセルフクリーニング効果を持っています。 日当たりの良い場所では特に効果を発揮し、外壁を清潔に保ちやすくなるでしょう。 防カビや防藻効果も高く、長期間にわたり外壁を保護できます。 |
デメリット | 光触媒塗料は、日当たりが悪い場所では効果が薄れるため、立地によっては期待する性能が発揮されない場合があります。 また、他の塗料よりも価格が高く、初期費用が大きくなりやすい点もデメリットです。 |